飯豊連峰前衛 二王子岳

GPSLOG 二王子神社 一王子避難小屋 裏五頭 春山の美しさ
油こぼし 山頂の鐘 杁差岳 門内岳・北股岳 小屋より少し下より




日時
       平成17320
参加者    単独
行き先    二王子岳 1420.3m
天候       晴れ後曇り
気温       新潟0.610.8   独標から上は氷点下
目的       春山登山
装備       冬山低山日帰り
登はん用具 なし
その他 スノーシュー・wストック
通信用具  アマチュア無線機       携帯電話
ナビ用品  GPS 地図 コンパス
防寒具      アウタージャケット セーター ネックウオーマー
その他    通常装備
飲み物    ポカリスエット500ml×1・水500ml×3  残量なし
食料品    カロリーメイト(ブロック)・チャルメラ・魚肉・ソーセージ握飯(2個) 
残量 緊急食を除いて残なし

コースタイム     事柄                     備考
0445分 自宅出発       寒い朝で、自動車のガラスが凍っている。
0515分 南俣集落着                昨日の朝よりかなり明るい気がする。
0530分 南俣集落出発              これから、約1時間の林道歩き。
0620分 二王子神社着              本当に雪が多い。(315m
0635分 二王子神社発              どうも、本日2番手のようだ。
0800分 一王子着       スノーシューにするが失敗。(755m)
0805分 一王子発       雪で一王子小屋は埋まったまま。
0900分 独標着雪の量はここで約4m1055m)
0910分 独標発右足に違和感。
1010分 油こぼしの下に着く。   
1015分 油こぼしの下発。風が強い。手袋と毛糸の耳までの帽子が必要。
1100分 山頂着寒い。凍結している。
1145分 山頂発。
1215分 油こぼし通過              凍結斜面が少し怖い。
1230分 独標着 ここまでくると、暑い。
1240分 独標発 埋まるのは朝と同じ。下りの分だけ惰性で進む。
1345分 二王子神社着             
1412分 二王子神社発             
1500分 南俣集落着
1512分 南俣集落出発 
1540分 自宅着 

移動データ

標高 スタート場所 南俣集落 駐車場所(93m
到達地点 二王子岳 山頂1,420.3m
標高差              1,327.3m
TP距離  総移動距離(GPSデータ)16.7Km             
時間       移動時間(GPSデータ)       5:43
移動平均速 2.9km/h

概要

お彼岸の320日の天気は幸い夕方までは、持ちそうなので出かけることにした。朝目覚めてから、天麩羅ウドンを食べて準備をして出かける。途中、カルチャーセンター前のセブンイレブンで、お握りを買い、ここでGPSのコンパス補正をおこない、再び電源をOFFにする。岡田の安全橋を超えると随分明るくなってきた。これならヘッデンなしで歩けるだろう。南俣に到着すると、林道入り口より少し下に車を止めて、身支度を整え、GPSの電源を入れて動作を確認して林道に入る。林道の山側は、雪解け水で溶けてコンクリート舗装が露出しているが、凍結しているため歩き難い。雪の残っている部分を歩く。クラストしているため歩き易いが、帰りは、脚が埋まり歩き難いだろう。林道を忠実に歩く。少し汗ばむ位のスピードで歩く。準備運動として循環器系のUPとしては良いかもしれない。いつも、駐車場からイキナリ急登に入る場所が多いため急激に動きすぎる事が多い。二王子神社に着くとまだまだ、雪の下の風景があった。ハイカロリーゼリーと水分を採る。そうこうしていると2人パーティーが神社に到着。登山者名簿に名前を記載して登りにかかる。名簿には、自分の私の前に一人。弱いトレースがある。トレースを忠実に追っていく。杉林に入るとザックの雨蓋中でGPSの電子音がする。多分、杉林に入ったため、電波が届かないのであろう。まもなく、神社で会った2人パーティーが追いついてきた。この頃、トレースに足を置く度に膝位まで潜って辟易していた。2人パーティーが先行していく。直ぐに私が遅れ始める。どういうわけか、誰も埋まらないトレース跡に私が足を置くとズボッと埋まる。この頃からすでに、少しづつ脚に疲労が蓄積されていく。あまりに埋まるので、スノーシューを装着。一王子までは、急登が続くので、スノーシューは不向きとであると判っていたが、仕方ない装着するが、いくらも歩かないうちに、急登とトラバースが続く。スノーシューが装着しているクラポン(爪)では、クラストした斜面では全く効かない。諦めて、尾根上で外す。この先も所々で埋まりながら、登り続ける。一王子の小屋は雪の下。写真を撮り水分を採り登り続ける。後ろから、比較的年配の単独者が追いついてきた。今年初めてだから、苦しいと言いながら、かなりの大汗をかきながらのハイペースだ。私は、相変わらず、ズボズボ埋まりながら進む。夏場と違い、樹木が雪で覆われているため低い位置からでも眺望が楽しめる。眺望を楽しみながら、歩いて独標向かう。独標の僅か手前から、右脚に違和感を感じはじめる。どういう訳か、左足を埋めてしまう場合が多く、右脚に疲れが出ていたことは、感じていたので、独標では少しゆっくりすることにした。時間は、二王子神社から独標まで約2時間25分。雪なら    まあまあの時間か。夏道で時期がよければ、もう1時間位詰まる感じかと思う。一王子小屋下を除き、この辺までは何となく、夏道のイメージがある。独標の積雪計測柱は概ね4mを指していた。お握りを一つ頬張り、水分を補給。下から男性2名、女性1名の3人パーティーが独標に到着。そのうち1名はスキーを装着していた。リンゴを分けて頂く。冷たくて旨かった。暑さで、フリースを脱いで、帽子を外し手袋も外した。彼らにお礼を言い先に進みだす。だが、直ぐに右脚が攣り始めた。だましだまし歩く。さほど、痛みは強くないので歩ける。独標を過ぎると、夏道のイメージが無くなる。しかしGPSの軌跡はそれほど大きく外れていない。ゆっくり歩いていたため、先の3人パーティーに抜かれる。スキーが案外早いのと、女性の歩きも早いことに驚く。スタスタ歩いてゆく。山慣れていると感心する。肝心の脚は、痛んだり落ちついたりの繰り返し。ほぼ、夏道に近い位置を通過している。油こぼしの下で休憩。夏ほど急に見えない。雪崩れる心配もない。が、雪面が硬くクラストしている。おまけに風が強い様で、雪煙が舞っている。ゆっくり登っていると後ろからまた、2人パーティーに抜かれる。キックステップで油こぼしを登るとやはり風が強い。雪もパウダースノーだ。独標の春山の雰囲気とは違う。油こぼしの下でフリースを着混んだが、ここでは、更に手袋と毛糸の冬の帽子で耳まですっぽりと包んだ。上着を出そうか考えたが、この寒さでスノーシューをザックから脱着するのは大変と判断し、この先それほど時間もかからないので、このまま進む。非常に硬い場所が至るところにある。持って来るべきは、アイゼンとピッケルだった。慎重にキックステップで上り続け、ようやく雨量観測所のアンテナに着く。ここから先は、目と鼻の先。とはいえ、強風とクラストした雪面でバランスを崩しそうだ。慎重に進み、小屋前に。小屋に入る前に先ず、山頂のモンスター君の様子を見に行く。結局、独標の先で抜かれた3人パーティーとほぼ同じ頃に、私も到着。気温も低く、風が強い。でも、雲より早く山頂に着けた。飯豊の主稜線が姿を見せてくれた。この飯豊の眺めは何度見ても飽きる事はない。厳しい冬の顔は全くほころんでいない、厳しい顔をしている。今年あの主稜線にたどり着けるのは何時だろうか?きっと遅いだろうな。と思う。インターネットにでていたモンスター君は、ダイエットに成功したらしくその姿は随分スッキリとしていた。おそらく、一度全て崩落し、その後再び付いた物だろう。ようやく、小屋に入る。小屋は大賑わい。私を入れて10人。小屋に入って右側は、それ程でもないが、左側は酷すぎる。と、いうのは結露のため、雫がポトポト垂れてくる。ラーメンを煮ていても、上からポタポタ。食べている時もそうだ。年配の単独者が、昭和39年の国体の時に建てたものだ。建替える予定は全く無いそうである。とのこと。確かに酷い状況である。その年配の方は、食事を済ませると早々に下山していった。そうこうしていると、インターネットのHP「ささやかで平穏な毎日」を公開している「桃ちゃんのパパ」さんが小屋に入ってきた。必要最小限度の荷物という感じでやはり山慣れた感じである。次々と登山者が到着する。小屋も満員状態。私も食事が済んだことだし、下山しよう。まだまだ登山者とスライドする。小屋に入れないだろう。と少し要らぬ心配をする。ブロックを積んで風除けを作れば何とか凌げるだろうが、スコップが必要だ。下っていきやや北に方向を変えて下るべき下降点で、何故か私は直進している。下側に、標識標は見ていたが、上り返したくないので上から様子を見たかったのだが、これが尾根違い。帰宅後、ログと地図を重ねると、その尾根を下ると、二王子神社の南側の沢があるが、その沢を挟んで反対尾根を下るようだ。油こぼしでは、下りのキックステップでは少し心下ない。東よりの少し雪の溜まった場所を選び慎重に下る。ピッケルでもあればもう少し大胆に行動できる。そこから先は、雪も緩み始め、独標までは、トレースも締まり歩きやすかった。独標で、一気に薄着になり、水分を十二分に補給し、下山開始。ところがここから先は、雪が腐り、ズボズボの状態。頻繁に埋まる。どうにかこうにか一王子まで来たが、結構大変だ。一王子を過ぎた頃、スキーヤーが滑り降りていった。ナルホド。スキーというのはかくも、移動アイテムとして優れていたのか。と感心した。一王子と二王子の中間位でとうとうスノーシューを付けるが、またまた、着けた途端、急坂にトラバース。転倒して少し流される。朝とは違い、雪が腐りすぎて、クラポン(爪)が効かない。考え物だ。今日に関してはワカンの方が良かった様だ。それでも、二王子神社まで無事到着。登山者名簿に下山時刻を記載して下山準備。林道をスノーシューで下ろうと思う。神社下の参拝道はトラバース部分が多く、スノーシューは不向と思った。林道方面へ少し進むが雪崩・落石の跡が多く時間帯としても適当ではないと判断し、スノーシューを再びザックに括り付け、歩き出す。思ったとおり頻繁に埋まる。どこまでも。疲れた脚にはこんな些細な事が堪える。ガマンしてガマンして歩く。歩きながら、水を飲む。予想通り、この帰り道は案外強敵。2/3位林道を下ったところでコンクリート舗装がでてきた。埋まらない道路は有難い。南俣の集落の赤い屋根を見たらほっとした。早々に身支度を整え、帰路につく。1540分自宅到着。 疲れた山行だったが、なぜか、あの伸びやかな、山容は心和ませるものがあった。未熟な私としては、いろいろな意味でいい日だった。春の二王子は気持ちが良い。

反省点

1.せめて、ピッケルは用意すべきであった。
2.もう少し荷物の軽量化を考えるべき
3.スノーシューを使うかワカンを使うかの判断はもう少し慎重に。


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